金なし・知識なしでおんぼろギターをリペアしてみた
片足棺桶老いらくブログへようこそ!
恥ずかしながら還暦を過ぎて初めてブログなるものを始めてみました。
特にこれといったテーマを探究するとか追い続けるとかと言った目標もないまま、思いつきや日々の出来事を綴れればと思っています。
今回ブログを始めるきっかけとなったのは、もともと下手の横好きでギターをつま弾いていましたが、昔から好きな「ジプシーキングス」を動画サイトで視聴していたところ、サイトの方が勝手に私の嗜好傾向を分析して「あなたにおすすめ」として、「Antonio Banderas - El mariachi (con la letra)」「Jesse Cook」「 Guitarra Azul 」など、メキシカンからネオフラメンコの動画を羅列してきました。そしてこれらにどハマりしてしまい、トドメがなんと「弦哲也先生弾き語り、北の旅人」。
アコギは2本所有しているものの、フラメンコギターは無い、クラシックギターも無い。
そうだ!、ネットオークションで探そう。
た、高い!!。フラメンコギターの中古で3万円~4万円なんて全くない、おまけに数も少ない。
じゃ、とりあえず似て非なるクラシックギターで我慢することとした。それも予算5000円以下(送料込)で。
2週間後、ネットオークションで落札したギターが届きました。
な・な・何とひどい状況!。出品中の写真では確認できなかった5弦糸巻き部分の割れや、ペグ金属部分のサビ。
6弦12フレットの弦高が5.5mmと異常に高い上、トドメはほぼ全てのフレットの両端が浮き上がっている。
これじゃ弾く気にならんわ!!。と言うよりまともに弾けそうもない。
ってことで、急遽何の知識もないままリペアを決心。
YouTubeなどでとりあえず最低限の知識と、必要な道具類をチェック。
交換パーツもAmazonなどで比較検討。
必要な物ほぼすべてが揃い、いよいよリペアスタートです。
〇届いたギターの状況
[ほぼすべてのフレット両端が浮き上がっている]
[5弦糸巻きの割れ] [6弦12F弦高5.5mm]
〇準備したパーツ・工具
〇リペア手順
1. パーツの取り外し
弦・ペグ・ナット・サドル・フレット
2. 指板補修・フレット打ち込み及びすり合せ研磨
3. ブリッジのサドル固定溝を深く切り込む
4. サドルを削り高さを低くする
5. ボディ・ネックのクリア塗装
4. パーツの取り付け
ペグ・ナット・サドル・弦
それではリペアスタートです。
〇錆びて割れのあるペグの取り外し
これは小さめのプラスドライバーさえあれば簡単な作業です。
〇すり減って両端が浮いたフレット引き抜き
この作業には、フレット抜きニッパー(¥7,000前後)という専用工具があるらし
いが、ビンボー人はそんな高価なもの買えないので、百均のニッパーの底を削って
フラットにしたものを使ってみた。これが意外と使える工具でした。
〇指板の補修と磨き
フレット引き抜き時にフレット溝の上端が欠けたりささくれ立ったため、ウッドパ
テ(百均)と接着剤(タイトボンド)を3:1、そこへ色合わせ用のアクリル絵の具
を少々混ぜて補修。パテが硬化したのを確認して、800番~1200番の耐水サンド
ペーパーで研磨。エレキやアコギみたいに指板にアールが無いので楽。その後フ
レット溝をカッターナイフ状の鋸刃で切り直し。
〇フレット打ち込みと擦り合わせ・両端研磨
これも専用工具で「フレットセッター」なるものがあるようですが、ジュラコンと
いう高価なエンジニアリングプラスチック製で手が出ません。
そこで!!、適度に硬くて加工がしやすく安価な材料=木。
それも栗の木。(ページ最初の写真)ホームセンターで購入し必要サイズに加工。
また、ネックを固定する専用バイスの代わりに、百均の「発泡スチロールブロッ
ク」を切ってアールを利用することにした。
栗の木 必要寸法に切り取り 発泡ブロック
工具類 フレット(1Fから順番に並べておく)
少量のタイトボンド フレットはめ込み
軽く仮打ち込み 打ち込み
荒削り⇒ダイヤモンドヤスリ⇒サンドペーパー フレット面は完璧フラット
☆フレットは既製品のため長さはぼぼぴったりだが、両端が切りっぱなしのため
バリが出ている。指板とボディーの一部に養生テープを張り、ヤスリで角を取
っていく。最後は1200番の耐水サンドペーパーでサイドと上面の擦り合わせ
仕上げ。
〇ブリッジのサドル固定溝を深く切り込む
この作業はやるかやらないかかなり迷ったが、6弦12F弦高が5.5mmもあるため、サ
ドル研磨だけでは弦高を下げられないと判断、ボディーに傷をつけないようにプラ
スチック板で保護し慎重に作業、薄刃の鋸とルーターを使い約1.5mm切り込んだ。
ボディー保護プラ板と薄刃鋸(ともに百均) ルーターで切り込み
ザドル溝を切り込んだ分上面も削り、クリア塗装で仕上げた
〇サドルを削り高さを低くする
サドルを削る 約6mmの高さ 3mm深さの溝へハメ込み
〇ボディー・ネックのクリア塗装
これは結論から言うと塗料の選択に失敗しました。クリア塗料なら何でもいいだろう
と、安物のアクリルスプレー塗料を使ったところ、見た目はいいのだが塗装後数週間
経っても完全に硬化しない。(カポタストをつけるとネックの塗装がふにゃける)
後で知ったことだが2液のウレタン塗装がいいらしい。
♯800~♯1000の耐水サンドペーパーで表面均し アルコールで脱脂
クリア塗装は乾燥・研磨を挟んで3回 仕上げは液体コンパウンド
♯7500~♯9800
〇パーツの取り付け
ナット溝研磨 ナット取付 指板をオレンジオイルで仕上げ
カサカサの指板がしっとり ペグの取り付け 取り付け完了
サドル取り付け 弦を張る 完了
値段の割に高級感のあるペグ 最後にチューニング
なんとか仕上がりました 先住ギターたちに仲間入り
〇まとめと反省
1.当初の目的、6弦12Fの弦高5.5mmを下げるだったが、結果からいうと
4.0mmまでしか下げられなかった。(目標3.5mmだった)
2.クリア塗装材の選択ミス。わずかな金額をケチって安物の塗料を使った
せいで、カポの当たる所の塗装がフニャケてしまった。
※今のところボディーの塗装は目立ったダメージ無し。
3.当然ナイロン弦を張ったが、朝チューニングして昼使おうとするとすべ
ての弦で音程が下がっている。これは2か月以上たった今も同じで、弦は
張りっぱなしだが毎回チューニングが必要。(今まで使っていたアコギや
エレキのスチール弦は数日でほぼ落ち着いた)安物の弦はこんなものかと
いろいろネットで調べたら、プロの使ってる弦でも同じだと判明。
今回はギターのリペアをやってみましたが、次回は私が小学校のころから触れてきた
音楽の歴史などについて書く予定です。
ではまた。